fc2ブログ

時は春、

世はいつの間にか春。
なんだか最近変に忙しくて、更新が遅れてます。
何も書かないのもあれなのでいつもの映画の話しを。

ミュージカル映画っぽいのばかりご紹介してるので、たまには少し毛色の変わったものを……と言うわけで、今回のお題は「コンタクト」(contact)です。
カール・セーガンと言うNASAの元科学者で小説家の同名作品の映画化したものです。
物語の作りとしては、かなりリアリティを追求していて当時のアメリカ大統領のクリントンの会見映像を使って物議を醸し出した事でも有名です。
SETI計画の研究者のエリー(ジョディ・フォスター)はあるとき知的生命体からと思われる電波をキャッチする。
その電波がなぜ知的生命体からと分かるのかとか、どう言う内容だったかが前半のキーポイントで実にSF的にリアリティがある作りになってます。
その電波の内容を精査した結果、地球外の現在の地球以上の知的水準にある生命体からのメッセージと結論付けた米国政府はその電波の中に含まれていた設計図を元に全世界的超国家プロジェクトでよく分からない物を制作する事を呼びかけるのですが……
この物語が他のSFと大きく違うのは、このあたりから話しがおかしな方向へと向かいます。
謎の設計図によるわけのわからない建造物の設計と言うSF色を残しつつ、「人類は神に選ばれた唯一の存在」とするキリスト教系の信徒が一斉に計画の中止を求めてデモを行ったりしはじめ、また地球外に存在すると言う事実自体がでっち上げと市民は語り始め、そのプロジェクトで建設している建造物――たぶんベガへの移動装置だろうと曖昧に結論付けられた装置に乗る事になったのは神様の存在を肯定した元政府顧問だったりと、たぶん現実に地球外知的生命体の存在が公表されたらこんな感じだろうなと思わせてくれる展開です。
しまいには9.11事件の前の作品とは言え、キリスト教の狂信者がその発射直前の建造物に対して自爆テロを起こす始末。
結局第二候補だったジョディフォスターが繰り上がりでパイロットに選ばれて、未知との黄金体験を行うのですが、端から見るとその操縦ポットがポトンと地面に落ちただけにしか見えず、巨額の費用を投じて結果の無いものをつくってしまった事への連邦裁判が始まりその証人に呼ばれるジョディ・フォスター。
彼女は物語の中盤で、若い宗教学者に科学者として、神様も信じないし存在を証明出来ないと言う事は存在しないと言う事だとハッキリと言い放つが、それに対して彼は「それでも神様はいらっしゃる」と答える。
彼女への裁判での詰問はさながら中世の宗教裁判や魔女狩りのような雰囲気で、その中で彼女は彼女が体験して提出されたレポートがウソか勘違いであったと証言しろと迫られる。
誰も彼女が体験した事を証明出来ないし、証明を裏付ける物が何もないためなのだが、それでもわたしは確かに体験したんだと証言の撤回を拒否します。
ここで、観てる私たちもハッとします。
事実と真実は違う物などと良く言いますが、まさにその通りなんだなと思い知らされます。
見てる物・見える物が必ずしも正しいとは言えないと言う強烈なメッセージです。
私なども現実の存在としての神様と言うものは否定的なのですが、実は肯定する事と否定する事は一枚の鏡の裏と表の差でしかなんじゃないかと思わせてくれます。

さて彼女の体験した黄金体験の映像は今となってはこじんまりと纏まった古い物に感じますが、当時のSFXとしては実に見事でとても美しくそれまでのかなりリアルな現実からポンと放り出される事でより強く印象に焼き付きます。
個人的にはヤマトよ永遠にの「新宇宙Ⅱ」のシーンの鳥肌と似てました。
そういえば数日前、以前隕石に微生物の痕跡があったと主張していた科学者が、結論として間違い無い事実としたのを、NASAの科学者が否定的な見解を示してると言う記事を見ました。
NASAはNASAで、つい先月地球外で生命の存在の可能性がある星が54個あると発表したばかり。

神、空にしろしめす、
すべて世は事もなし。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

和人@Light Works

Author:和人@Light Works
九州の片田舎福岡で活動するソロプロジェクト『Light Works』の雑記ブログです。
主にゲームシナリオ・吉里吉里・after effectsに関係する話を中心に書きたいと思います。
シナリオ・演出・その他おもしろいお仕事募集中です。
スパム対策にメールは非公開ですので、コメントの方に非公開コメントでお願い致します。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR